「ビジョン2020」成就のための宋龍天総会長のメッセージ(後編)

「天一国」創建は韓国、そして日本から世界に拡大
 一方、個人から出発した天一国は国家単位まで完遂されなければならず、その国が正に韓国です。但し、韓国で天一国が建設された後は、その相対国家である母の国、日本でも天一国が成し遂げられなければならず、世界的次元の天一国建設の基盤を成していかなければならないのです。したがって日本において「ビジョン 2020」は日本に天一国を建設することができる基盤を造成せよという夢とビジョンです。また、天の父母様と真の父母様が本来、この世の中に立てようとされた理想的な人間像、家庭像、社会像、国家像を、天一国という名の下に立てようというビジョンです。

 ただ、過去の蕩減時代を経ながら、日本統一運動は天の父母様と真の父母様のこのような夢とビジョンを、暫し引っ込めざるを得ませんでした。しかし今、私たちは天一国実体時代、すなわち天が願う人間、家庭、社会と国家、さらには世界を、原理と真の父母様のみ言を通して実体的に成さなければならない時代を迎えるようになりました。これは、今こそ統一原理と統一思想、真の父母様のみ言が、日本の国民と国家に絶対的に必要な時期であるという意味でもあります。

 一方、真の父母様は実体天一国、すなわち神様の創造理想が完全に成し遂げられた天上天国、地上天国を成すためには、個人から家庭、氏族、民族、国家という5段階までの天一国を成してこそ、世界的、さらには天宙的次元の実体の天一国が成し遂げられると語られました。そして、天一国の出発点が正に個人と家庭にあるという点も強調されました。このような観点から見れば、真の父母様と真の家庭の氏族とその拡大体である民族と国家は、正に韓民族と韓半島であるという事実 を、私たちは知ることができます。したがって、真の父母様の勝利圏を通じて迎えた神様の直接主管圏時代である天一国実体時代は、祝福中心家庭が天の直系の子女になり、真の父母様の勝利圏を横的に拡大させ、さらには特に韓民族と韓半島の統一を成し遂げて、国家単位の天一国を成さなければならないということを私たちは知ることができます。したがって、日本が韓国の対象国家である母の国の使命を同時に果たさなければならないということは、母の国の使命の個体目的として、正に日本も国家単位の天一国を成さなければならないということになります。このようになってこそ、韓国の天一国と日本の天一国が一つになり、世界的次元の天一国の出発点を構築できるのです。「ビジョン 2020」はこのような原理的、摂理的内容に根差しているのです。

「ビジョン」は神様の創造理想、永遠の価値
 一方 「ビジョン 2020」を理解するにおいて決して忘れてはならない点があります。それは、「ビジョン 2020」が単に爆発的な伝道実績を出すためのビジョンではないということです。爆発的伝道は目標にはなり得ても、ビジョンには決してなりません。大きな教会を建て、伝道をたくさんして食口たちが増えることは目標にはなり得ても、ビジョンにはならないのです。これは、ちょうど人々にとってお金をたくさん儲けて良い家を買い、自動車を買うことが人生の目標にはなっても、ビジョンにはならないということと同じ理屈です。何かを所有したり、行動することは、ビジョンにはならないという意味です。ビジョンとは、自分または組織の追求する価値が実現した、望ましい未来の状態の具体的イメージです。例えば三大祝福や三大主体思想のように、何らかの理想的な存在になることを意味します。したがって、「爆発的な伝道をして、日本統一運動は何をするのか」が明確でなければなりません。それが正に、国家単位の天一国を建設することです。言わば、日本社会を動かして、世界から尊敬され愛される日本統一運動の姿に変革し、天一国建設の社会的基盤をつくっていくことが、正に「ビジョン2020」です。ビジョンとは、「何かになること」です。ただし、このようなビジョンを成すにおいて、その出発点が、幸福な家庭、さらには健康な教会を築くことにあるという点を忘れないでください。

 したがって、「ビジョン 2020」は外的な、数的結果を出すために、内的(意識、態度、文化、組織、構造、システム)変化を起こす運動です。「ビジョン 2020」が出てくるようになった背景には、摂理的要求、すなわち天からの要求があると同時に、現実的要求があります。過去の蕩減時代の統一運動の意識と態度、文化と構造では、天一国の実現はもちろんのこと、世の中と二世圏を導くことができないからです。摂理的季節が冬から春に変わったならば、その時を認知し、その季節にふさわしい服に着替えなければならないのです。正に、2020年までに摂理的な服、すなわち天一国時代に合う個人、家庭、教会、統一運動の服に着替えなければならないのです。これは、蕩減時代に私たち統一家が歩んできた道を否定したり、価値のないものとして貶おとしめることでは決してないということを、心に留めてください。摂理的発展のための一つの勝利的過程を、私たち日本統一家が無事に越えてきたという事実に、自負心を持つ必要があります。

 「ビジョン2020」は、単に日本統一運動が生存するためのビジョンではありません。日本国民と国家が天一国の民になり、天一国を建設するためのビジョンです。したがって、私たちが一つにならなければならない第一の対象は、「ビジョン 2020」、すなわち神様と真の父母様が本来願いに願ってこられた天一国の民、天一国創建という内容を、ここ日本の国民と国家に伝播しなければならないというビジョンです。世の人々は、「私たちは何を成そうとしているのか」というビジョンと、それを成すことができる原理と思想に関心を持っています。ですから、私たちは叫ばなけれ
ばならないのです。

「創造主、天の父母様に似た真の愛を実践する天一国の真の主人」に
 再度強調しますが、「ビジョン 2020」は単に目に見える実績のみを得るためのビジョンではありません。厳密に言えば、目に見えない私たちの意識と態度、文化と構造を、天一国実体時代を迎えるにふさわしく変貌させていくためのビジョンです。 すなわち、天のみ旨を中心とした動機と目的を持って、健全なプロセスを通して健全な内的・外的結果を得るためのビジョンです。

 人は、見たままに行動します。言い換えれば、人の成長は視覚的な刺激に依存するということです。したがって、「ビジョン2020」という夢を成すために努力する日本統一教会の食口が一つに固く団結した時、初めて歴史が始まります。互いが互いにとって視覚的な刺激体になりましょう。そうすれば、天の役事が共にあるでしょう。人は、ビジョンと夢そのものだけに従うのではありません。人は、ビジョンと夢を持ち、それを成就するための動機を与え、自らそのために熱心に努力する人間を見て、従うのです。したがって、日本統一運動の指導者と食口は、「ビジョン2020」の主人、そして、実践者となるように、切にお願いします。日本の指導者と食口が肩の上に背負っている責任という重荷は、私の目にもよく見えます。私も肩にその荷を背負っています。

 子女がたくさんいる貧しい家の母親が、一日中くたくたに疲れるほど働いてやっと工面したお金で、家族が食べる米を買っていそいそと家に持って帰る時、自分の空腹はもちろん、米の重ささえ忘れたその母親の顔には、微笑みだけが浮かび、足どりはより一層早まります。美味しいご飯を腹一杯食べて幸せそうな子女たちの姿が目に浮かぶからです。このように、子女のような全世界の国々を養育するための世界摂理を前にして、日々犠牲の路程を歩んでいる摂理的母の国、日本の指導者と食口の深い愛と精誠は、天が本当に貴く思うでしょうし、世界はその恵みを永遠に忘れない でしょう。

 私たち日本の指導者と食口が皆、「ビジョン 2020」を中心に一つとなり、「創造主、天の父母様に似た、真の愛を実践する天一国の真の主人」になって実体天一国を創建し、全世界人類のために生きる日本をつくり上げる主人公となるように、切にお祈りいたします。