韓国メディアが報じる「日本統一運動」

平和大使日本研修ツアーに同行取材

 韓国から約40人の「平和大使」が来日し、「東北アジアの平和のための平和大使日本研修」(主催・韓国UPF=天宙平和連合)が5月20~23日の日程で開催されました。今回で11回目を迎えた研修には、これまで宗教、教育、言論、政治など様々な分野から合計200人以上の指導者が参加してきましたが、その最大の狙いは、民間交流を通して、冷え切っている日韓関係を改善させる糸口を探ることです。

(この記事は、『VISION 2020』第31号〈6月15日号〉に掲載されました)

 千葉・浦安の一心特別教育院で行われた今回の研修には、韓国メディアの記者も参加。研修の様子や徳野英治・日本UPF会長へのインタビューなどを報じました。
 その中から、「韓国経済新聞」、「NEWSis」(通信社)、韓国「世界日報」の記事を一部紹介します。

 まず、「韓国経済新聞」(電子版)5月21日付は、研修の開会式であいさつした尹晶老・韓国UPF会長の言葉を引用しながら、UPFの取り組みを次のように紹介しています。

 「分断国家である韓国で始まった“平和運動”を、東北アジア、全世界に輸出するのが目標です。これから非政府組織(NGO)平和運動の韓流時代を開いていきます」

 「全世界が領土、経済、政治などの各分野において壁を崩しています。・・・・・・グローバル時代において、UPFは世界の人々の出会いと交流の場を用意し、人間中心の平和運動を伝播していきます」

 そのうえで、同紙は「 UPFは、国連経済社会理事会の特別諮問機関として、国家と民族、宗教、理念を超越し、汎世界的な平和運動を展開するNGO団体である。2005年の創設以降、世界193カ国に支部を置き、教育、奉仕、平和大使活動などを進めている」 報じています。

 日韓関係が、1965年の国交正常化以降「最悪」と言われる中、韓国メディアの関心も両国関係に注がれています。

 大手通信社「NEWSis」は5月23日に配信した徳野会長へのインタビュー記事の中で、統一運動が「韓国と日本の関係回復のためにも先頭に立つ計画である」 と説明。
 そのうえで、「(徳野会長は)『日本国民は、韓国人に対して悪い感情はありません。K-POPの影響もありますから』としながら、(2018年の)『平昌冬季オリンピックが良いチャンスだと思います。しかし、その前に機会さえあるなら、早く日韓関係が回復してほしいです』と願った」 と述べています。

 また、韓国・世界日報6月5日付も日韓関係に言及し、「文鮮明総裁がかつて日本に宣教師を派遣したのは、韓国と日本教会が一つになって両国間の友好の主役にならなければならないという意味だったのです」との徳野会長の言葉を紹介。さらに「超宗教外交使節である平和大使が、韓日両国平和の架け橋の役割をしている」 (徳野会長)と書いています。

 同紙は、徳野会長が参加者に講義した内容を踏まえ、日本における統一運動の歴史を点描しています。
 その中で、統一教会の日本宣教が日韓国交正常化(1965年)がなされる前の1958年にスタートしたことに触れ、「その時代には韓国教会もよちよち歩きの段階だったが、文総裁は崔奉春(89)宣教師を鶏龍山甲寺に呼び、『み旨を果たす前には死んでも帰って来るな』と厳命した。崔宣教師は密航船に乗り日本に入って行ったが、到着直後に逮捕された。彼は監獄で死を覚悟して断食を決行し、病院に移送されてから脱出して日本宣教の元肥になった」 と述べています。

 また、日本統一教会の久保木修己・初代会長について、「久保木先生の登場も、一編のドラマのようです」 と指摘。1962年ごろ、立正佼成会の会長秘書だった久保木会長が、統一教会に入会する経緯を紹介しながら、「将来の立正佼成会の会長職まで約束されていた久保木先生が、統一教会で最初に始めたことは廃品回収。黒縁めがねをかけたしとやかな知性人が、壊れた器などを積んだリヤカーを引いて行く一枚の写真は、日本宣教史の金字塔のように残っている。久保木先生は数年後に初代日本協会長になり、日本統一教会を盤石の上に乗せた」 と述べています。

 さらに、同紙は「(日本統一教会の)歴史は、日本信徒の血と汗、涙につづられている。命をかけた共産主義者との闘いを含め、海外宣教地の開拓と宣教資金の募金、国際合同結婚式など、計り知れないほど多く、膨大である。(統一教会の)最初の殉教者も日本人宣教師の中から出た」 と指摘。また、これまでの日韓関係改善の取り組みについて触れながら、「韓日両国の友好増進と和合のために積んできた業績もまぶしく輝いている」 と賞賛しています。

 一方、今回の研修に参加した韓国メディアの記者たちは、徳野会長の韓国語能力もさることながら、韓国に対する深い愛情に感銘を受けたようです。
 韓国経済新聞(電子版)5月21日付は、「徳野会長は流暢な韓国語で歓迎の辞を述べ、人目を引いた。韓国に対する並々ならぬ愛情も露わにした。彼は『7カ月間、韓国に留学して韓国語を学びました。特に“秋の童話”、“夏の香り”、“朱蒙”などの韓国のテレビドラマを見ながら、韓国の文化、歴史、国民性を学ぶことができました』と語った」 と伝えています。

 5月23日配信のNEWSis は、徳野会長が韓国ドラマを通じて韓国の情緒についての理解を深めたと説明したうえで、次のような徳野会長の言葉で締めくくっています。
 「(全国の牧会者の)3分の1は韓国人です。大部分が日本人女性と結婚した人々です。韓国の国民性、文化を理解できなければ、彼らと一緒に働くのは簡単ではありません」

 「(統一教会を生み出した)韓国文化の精神を受け継ぎ、天国文化をつくらなければなりません。そのためには、文総裁の核心的教えをより深く理解しなければなりませんから、韓国語の勉強も必要となります」