「2013 ヨーロッパ聖地巡礼ツアー」(上)

 去る2013年11月30日から12月7日まで、7泊8日の日程で行われた「2013ヨーロッパ聖地巡礼ツアー」を3回に渡って連載します。

(この記事は、『VISION 2020』第22号〈1月15日号〉に掲載されました)

 世界の人類を真の愛で抱かれた真の父母様の足跡がそのまま残っているヨーロッパのスイス、フランス、イギリス内の聖地を巡礼するツアーが、宋龍天総会長御夫妻を始めとする合計41人の忠孝家食口が参加する中、2013年11月30日(土)から12月7日(土)まで、合計7泊8日のスケジュールで、天の父母様の祝福と真の父母様の大きな期待を受けながら、成功裡に行われました。

 今回のヨーロッパ聖地巡礼は、信仰の祖国であり第三イスラエル国家である韓国と、天が選んだ第二イスラエル国家であるアメリカに続き、三回目の巡礼として企画されたものです。特に本聖地巡礼は、旅行の意味を越え、参加者たちが、人類歴史の背後で絶え間なく役事される天の父母様と、天の摂理歴史を陣頭指揮しながら流された真の父母様の血と汗と涙がそのままにじんだ摂理の現場を直接回ってみることにより、天の父母様はもちろん、真の父母様と心情的一体を成すとともに、「偉大な摂理的活動に自分が同参している」という自負心を感じられるようにすることに、その開催目的があります。

 また、参加者たちがキリスト教の基盤の上に立てられたヨーロッパの歴史と共に、真の父母様を中心とした復帰摂理の中に位置したヨーロッパの過去と現在の姿を通し、真の父母様の世界的平和運動の意義と価値を噛みしめることのできる場になったという点において、今回の聖地巡礼の意味は、非常に大きかったと言うことができます。新しい経験を通して、考え方の基準が変わり、思考の枠組みが広がることを期待し、人々は旅行に出かけます。

 今回の聖地巡礼もまた、参加者が世界摂理という真の父母様の摂理の非常に大きいスケールと同時に、その深い真の愛の心情世界を経験することのできる貴い機会になりました。何よりも、このような経験を通して、世界を抱くことのできる母の国として日本が進むべき未来の青写真を描くことができたという点において、本聖地巡礼には非常に大きい意義があると言えます。
 一方、興味深い事実の一つは、偶然にもヨーロッパ聖地巡礼の期間が、1991年11月30日から12月7日まで真の父母様が北朝鮮を訪問され、金日成主席に会って南北頂上会談と離散家族再会、金剛山開発などの南北経済交流合意に至った期間と一致するということでした。そのことを後になって知った聖地巡礼の参加者たちは、今回の聖地巡礼は天があらかじめ準備されたツアーであるということを、改めて悟ったのです。

 摂理的に、ヨーロッパ大陸は、天の父母様はもちろん、真の父母様に対しても無念ともどかしさを抱かせた場所です。人類文明史の発展過程を見れば、地中海の半島文明からバトンを受けたヨーロッパのキリスト教を根とする大陸文明は、イギリスを中心に繁栄した島嶼文明の土台となりました。しかし、四海を平定し、その地には陽の沈む日がないと叫びながら覇権を握った大英帝国も、再びその華麗な文明のバトンをアメリカ大陸に引き渡した事実を、私たちは歴史を通して目撃しています。

 一方、真の父母様にとってヨーロッパ、その中でも西ヨーロッパは、1995年から2007年までの12年間、真の父母様の御名前をシェンゲン協定の入国禁止者リストに加えて入国を禁止し、無念と苦しみを抱かせた所です。「旅行(travel)」という言葉の語源は「苦労(travail)」ですが、近代まで、旅行は骨の折れる危険なものでした。このような点において、2007年にシェンゲン問題が解決するまで、真の父母様にとってヨーロッパに向かうその歩みは、「苦難」と「苦労」の路程であったと言うことができます。

 「真の父母様が下賜されたジャンパーなので、あのようにいつも着ています。あの服を着てこそ、真の父母様と一緒に聖地巡礼をしているという気持ちになるようです」

 2013年11月30日(土)の早朝、成田空港の出国手続きカウンターに立っていた宋龍天総会長をご覧になり、李海玉サモニムが口にした言葉です。続いてサモニムは、その日の夢に現れた真のお父様の話をしてくださいました。夢で李海玉サモニムを訪ねてこられた真のお父様に、「真のお父様は霊界にいらっしゃらなければならないのではありませんか」とサモニムが尋ねたところ、真のお父様は「私はお前たちといつも共にいる」と答えてくださったということでした。

 今回、初めてのヨーロッパ聖地巡礼のすべてのスケジュールを計画し、案内役まで直接しようと自ら買って出られた総会長御夫妻の姿を通して、「常に真の父母様に侍りながら、共に生活している」という印象を強く受けました。韓国を経由し、その日の夕方、スイスのチューリッヒに無事に到着したヨーロッパ聖地巡礼団を喜んで迎えてくれたのは、ハイナ・ハンシン(Mr.Heiner Handschin)スイス教会長兼天宙平和連合(UPF)スイス会長をはじめとする、チューリッヒ教会の食口たちでした。このようにして、聖地巡礼の初日を無事に終えることができました。

 二日目は、ヨーロッパにおいて最も荘厳で高い場所、数億年前に形成された氷河がそのまま残されている場所、“純潔の地” とも言われる海抜4,158メートルのユングフラウ(Jungfrau)にある、ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch、3,454メートル地点)駅に向かいました。ここは、真の父母様が2005年9月から12月27日まで、アメリカを皮切りに世界120ヵ国の巡回講演をされた際、11月11日のスイス大会を終えられた後に訪問された場所で、その後、2011年5月15日にも再び登ろうとされましたが、その時は緊急な事情により登ることができず、代わりにユングフラウの向かい側にあるシルトホルン(Schilthorn)に登られたことがありました。
 ユングフラウは、「聖母マリヤ」、もしくは「純潔な若い乙女」を意味する言葉です。また、ユングフラウヨッホは「純潔な若い乙女の肩」という意味と、「最も高い」という意味があります。巡礼団の一行は、そこに向かうバスの中で、ハイナ・ハンシン教会長からスイスと関連した真の父母様の逸話を詳細に聞く時間を持ちました。

 グリンデルワルト(Grindelwald)駅に到着した巡礼団は、以前、真の父母様が立ち寄られたカフェを訪れ、記念写真を撮りました。宋龍天総会長は、聖地巡礼団に「2011年5月15日、真の父母様はユングフラウに登る計画で、きょう、私たちが到着したグリンデルワルト駅に到着されたのですが、到着直前にそこを出発した列車が故障し、600人以上が山に閉じ込められるという出来事が起きました。ところが、予定どおりであれば、当時、真の父母様の御一行もその事故が起きた列車に乗るはずだったのですが、その日の訓読会において真のお父様が予定よりも遅くまでみ言を下さったため、その最初の列車に乗ることができず、結果的にその事故を免れることができたのです。ですから、真の父母様の御一行は仕方なく、目的地を変更し、シュテッヘルベルク(Stechelberg)にあるシルトホルンに登られたのです。海抜2,971メートルのシルトホルンは、200 を超える峰を眺められる素晴らしいパノラマ展望を楽しむことができる所で、シュテッヘルベルクからロープウェイが運行されており、真の父母様はそれに乗られました。頂上にある展望台と360度回転レストラン“ピッツ・グロリア(Piz Gloria)”は、映画「007」のセットとして造られたことで有名な所で、そこで真の父母様も食事をされました。ところで、きょう、私たちは真の父母様が2005年11月11日に登られたコースのとおり、そして、2011年5月15日に本来計画されていたここから列車に乗って、クライネ・シャイデック(Kleine Scheidegg)を経て、再び列車を乗り換え、ユングフラウヨッホに向かおうと思います」と、丁寧に説明してくださいました。

 真の父母様について、落ち着きながら正確に説明される宋龍天総会長の目は、まるで真の父母様の御前で当時の出来事を証しするかのように、いつになく輝いていました。このような総会長の姿を通して、聖地巡礼団は真の父母様の温かな愛を十分に満喫することができました。クライネ・シャイデックに向かって登っていく列車の中で、ハイナ・ハンシン教会長は、「スイス人として、私も数十回ここを訪ねましたが、きょうのように晴れ渡った空は見たことがありません。本当に天が皆さんを歓迎しているという思いを持たざるを得ません」と、興奮気味に話してくれました。クライネ・シャイデックに到着した一行は、2005年、真の父母様が写真を撮られた所で記念撮影をした後、昼食を取り、ユングフラウヨッホまではアイガー(Eiger)山を掘って造ったトンネルを通過するラック式鉄道に乗って移動しました。ところで、「ヨーロッパの屋根」と呼ばれるユングフラウヨッホで巡礼団一行を迎えたのは、激しい吹雪でした。

 そのためか、大部分の観光客は展望台の中に留まっており、巡礼団だけがスイスの旗がなびく掲揚台に向かって、外に出ました。ところが、国旗掲揚台で宋龍天総会長が代表報告祈祷を捧げるその瞬間、それほどまでに強く吹いていた吹雪が止んでしまったのです。そして、報告祈祷と億万歳三唱が終わり、全体記念写真を撮影するまでの間、まるでおとなしい羊のように静まっていた吹雪は、一行が展望台に向かって帰ろうとした瞬間、再び強く吹きつけ始めたのです。ユングフラウヨッホから降りてきた一行は、真の父母様が滞在されたビクトリアホテルに寄った後、ジュネーブに移動し、二日目の日程を締めくくりました。(「2013 ヨーロッパ聖地巡礼ツアー(中)」に続く)