「2013 ヨーロッパ聖地巡礼ツアー」(下)

 去る2013年11月30日(土)から12月7日(土)まで、7泊8日の日程で行われた「2013 ヨーロッパ聖地巡礼ツアー」を引き続き紹介します。

(この記事は、『VISION 2020』第24号〈2月15日号〉に掲載されました)

 フランス・パリのリヨン駅に到着した巡礼団は、ホテルに移動し、フランス教会関係者の熱い歓迎を受ける中、晩餐会に参加しました。この場には、翌日の「ユーラシア-ヨーロッパ指導者会議」の準備のために忙しく走り回るフランス協会長の代わりに、協会長夫人と5人の天一国青年宣教師が特別に参席し、巡礼団を迎えてくれました。晩餐後は、フランスにおける統一運動と真の父母様の摂理的足跡を紹介すると共に、天一国青年宣教師の自己紹介、そして、これまで多忙なスケジュールのため、正式には行われなかった聖地巡礼参加者たちの自己紹介の時間を持ちました。これらの時間を通して参加者は、「聖地巡礼を通し、世界を真の愛で抱かれた真の父母様の御姿と歴史を振り返ることで大きな力と勇気を得ることができ、み旨の道をこれから歩むにあたって、進むべき方向と当然すべきことが何かを考える機会になりました」という感想を、皆一様に述べました。

 聖地巡礼の4日目となる2013年12月3日(火)は、ユネスコ本部を見学した後、「ユーラシア-ヨーロッパ指導者会議」に参加しました。本行事は、「平和文化と人的資源開発のための協力」という主題の下、12月3日(火)から4日(水)までパリのノボテルホテルにおいて、ヨーロッパとロシア、一部のユーラシア国家の政治指導者、学者、NGO団体等が参加する中、盛況裡に開催されました。聖地巡礼団は、本行事の開会式と第一セッションに参加し、真の父母様の世界的平和運動が展開されている現場を目撃しながら、真の父母様の平和思想が持つ底力を改めて感じることができました。

 また、「日本は世界から尊敬と愛を受けられる国家として生まれ変わらなければならない」 という真のお母様のみ言を実現するためには、日本が世界平和のための活動に、より積極的に同参しなければならないということもまた、深く感じるきっかけになりました。午後はベルサイユ宮殿を見学し、この日の日程を終えました。聖地巡礼の参加者の表情には、スケジュールが進むにつれて、「天の父母様と真の父母様にさらに近づき、従っていこう」という深い心情的決意が自然に現れ始めました。

 聖地巡礼の5日目となる12月4日(水)は、午前中にエッフェル塔始め、パリ市内およびルーブル美術館の観光をした後、ユーロスター(Euro Star)に乗ってイギリスのロンドンに移動しました。巡礼団はフランスでの日程を通して、真の父母様が摂理的に非常に大きな期待を寄せたにもかかわらず、かえって天のみ意を正しく悟ることができないまま、ドイツと共に真の父母様をシェンゲン協定の入国禁止者リストに載せるという過ちを犯したフランス、そして、そのフランスを許し、最後まで抱こうとされた真の父母様の努力の結実を目の当たりにしながら、イギリスに向かいました。

 イギリスで聖地巡礼6日目を迎えた巡礼団は、午前中、ロード・ナジール・アーメッド(Lord Nazir Ahmed)上院議員の招請で、イギリス議会を訪問しました。聖地巡礼団を喜んで迎えたアーメッド上院議員は、イスラーム信徒として(イギリスで)初めて上院議員になった人で、早くから真の父母様の平和思想に深い感動を覚え、真の父母様の世界的平和運動に積極的に同参してきた人です。特に、彼はイギリス内の様々な社会団体およびNGO団体が、UPFを中心に人種および平和問題など、各種の社会問題を解決していくにおいて非常に大きな貢献をすることにより、イギリスの政治界および社会でUPFを始めとする真の父母様の平和運動が足場を固めるにあたって大きな影響を及ぼした政治家であり、経営者、宗教指導者です。聖地巡礼団は、アーメッド上院議員が準備した議会会議室に通され、これまでイギリス内で進められてきた真の父母様の平和運動の足跡と業績について紹介を受けました。国会の会期中であるにもかかわらず聖地巡礼団を迎えてくれたアーメッド上院議員は、自らが直接準備したプレゼントを聖地巡礼団一人一人に手渡し、記念写真も撮ってくれるなど、厚くもてなしてくれ、聖地巡礼団員は非常に大きな恩恵を受けました。この日の午後は、2011年5月12日、真の父母様がイギリスを訪問した時に回られたテムズ川のクルーズ観光を始め、市内観光を行いました。

 この日の夜、イギリスの教会が準備した「ヨーロッパ聖地巡礼団歓迎晩餐会」が、イギリスの本部教会で開催されました。歓迎晩餐会では、シモン・クーパー・イギリス教会長を始め、イギリスの主な指導者および食口の熱い歓迎を受けました。何より、イギリス本部教会の日本婦人食口と天一国青年イギリス宣教師が精誠を尽くして準備した食事と、イギリスの食口が準備した多彩な文化公演を通し、聖地巡礼団は神様の下の人類一家族社会がどのようなものであるかを直接体恤する、意義深い時間を持つことができました。

 晩餐会の途中、音楽の演奏と共に自然な形でイギリスの食口と聖地巡礼団が一つになり、踊りを踊って和動する中、晩餐会参加者は皆、「私たちは一つである」という心情を満喫することができました。特に、今回の聖地巡礼団の中で最高齢である82歳の参加者は、「今回の巡礼を私に勧め、一緒に同行してくれた嫁と、私の息子が祝福結婚を受けようとした時は、本当にひどく反対しました。しかし、息子夫婦が祝福二世である孫を生み、今はひ孫も生まれ、世の中のどの家庭よりも仲睦まじく生きている姿を見て、今日まで彼らを育ててくださった真の父母様に対して、思い直すようになりました。また、今日、私たちを熱く歓迎してくれたイギリス食口の姿を目にし、彼らと言葉は通じませんでしたが、自然に一つになって和動する中で、真の父母様の真の愛がどれほど貴く、驚くべきものであるかを、改めて感じることができました」と、歓迎晩餐会の感想を述べました。

 聖地巡礼の7日目、2013年12月6日(金)は、いよいよ日本に向けて出発する日です。午前中、ロンドン中心部の最も大きな公園であり、400年以上の歴史を誇るハイドパーク(Hyde Park)内にある聖地で祈祷会を行い、その後、巡礼団は大英博物館を見学、イギリスにおける最後の午餐をもって、今回の聖地巡礼を成功裡に締めくくりました。

 今回の聖地巡礼では、偶然と言うにはあまりにも出来過ぎていて、必然的とも思える多くのエピソードがありました。その中の一つが、団体旅行をするとよく起きることですが、皆とはぐれて迷子になる人が出る事件です。これが、スイスのチューリッヒ空港で第一歩を踏み出した時と、巡礼の最後の訪問先だった大英博物館で起きました。もちろん、2人とも無事に巡礼団に帰ってきましたが、聖地巡礼のまとめをする午餐の時間、感想を述べ合う中で発表された2人の証は、互いに違うようで、実際は同じものでした。それは、自分には必ずや探し出して合流しなければならない共同体があることが、たとえ道に迷って不安であったとしても、どれほど幸福なことかということ、そして、困難に遭遇した時、天にすがりながら、あきらめずに進めば、必ず願いは叶うということです。多くの感動と感激が交差した第一次ヨーロッパ聖地巡礼の日程は、2013年12月7日(土)、天の父母様と真の父母様の加護の下、無事に幕を閉じました。

 すべての宗教者は、「巡礼」という名で聖なる宗教の旅を行います。聖地巡礼は、あらゆる宗教において見出される、本質的な現象の一つです。これは、単に真理を追求し、精神的な豊かさを体験するために行う旅ではなく、天の父母様と真の父母様に侍り従う、深い愛と信仰の表現なのです。今回のヨーロッパ聖地巡礼は、真の父母様の心情と伝統を相続し、天の父母様と真の父母様にさらに近づくことのできた、意義深い旅となりました。ヨーロッパ聖地巡礼を終えるに際して、参加者は、「聖地巡礼の旅は、天の父母様と真の父母様の真理と真の愛を自らの日常の中に引き寄せ、実践することにより、完結する」という悟りを得て、巡礼を締めくくることができました。聖地巡礼の精神とは、天の父母様と真の父母様にお会いし、自らを省察する中で、天の父母様と真の父母様にさらに近づき、従っていくことです。聖地巡礼の完成は、天の父母様と真の父母様がされたように、世界に向かって真理と真の愛を伝播していく時、初めて成されるものなのではないでしょうか。

 今回のヨーロッパ聖地巡礼を締めくくりながら、真のお父様の自叙伝の一節が、ふと頭に浮かびました。
 「私は理念と宗教の違いのゆえに相手を憎み、互いに敵となった国どうしの間に、平和の橋を架ける仕事に生涯を捧げました。(中略)物心がついて以来、今に至るまでの私の人生のテーマはただ一つ、世界が一つになって平和に暮らすことです。他のことは眼中にありません。昼夜を問わず平和のために生きることは容易ではありませんが、ただひたすらその仕事をする時、私は幸福でした」 。(『平和を愛する世界人として(増補版)』16頁)

 今回、第一次ヨーロッパ聖地巡礼に参加した人々の胸にも、このみ言が深く刻まれたことを祈りながら、彼らが示す未来の姿を、期待と共に想像してやみません。