クリストファー・ヒル前米国務次官補を招請して国会特別講演/韓国・ソウル

「真の平和は、神の摂理と密接に結びついたもの」
国際指導者会議で韓鶴子総裁の基調講演

  「基元節」を機に、神様の真の愛による平和世界、すなわち「天一国」建設の土台が作られてから既に1年が経ちました。それに先立つ1991年までに冷戦構造がなくなり、2001年には新ミレニアム(千年紀)を迎えたことから、多くの人々は「平和の世紀」到来を予感したものです。しかし、現実には依然として続く未解決の領土紛争や部族・民族間の葛藤、宗教がらみの摩擦、さらには核兵器開発を巡る緊張がますます高まり、これらが地域社会はもちろん、世界の平和を脅かす水準に達しています。

(この記事は、『VISION 2020』第25号〈3月10日号〉に掲載されました)

 天一国時代という摂理の大転換期を迎え、人類は果たしていかなる知恵を結集し、努力すべきでしょうか。「基元節1周年」となる2月12日を前後して、韓国ソウル市内のホテルで、「平和と人間開発の新たなパラダイム(注:思考の枠組み)を求めて」と題し、「国際指導者会議(ILC)」が開催されました。
 天宙平和連合(UPF)が主催し、世界平和統一家庭連合、世界平和女性連合の共催で開催された本行事には、世界50カ国から3人の国家元首クラスの代表を含む総勢165人の各界指導者が出席し、3日間、白熱した討議が展開されました。

 会議に先立ち、開会式で文薫淑・ユニバーサル文化財団理事長は、真のお母様であられるUPFの創設者・韓鶴子総裁の基調講演を代読しました。その中で、文理事長は真の平和は神のみ旨と密接に結びついたものであることを強調しながら、「恒久的世界平和を実現するために、真のお父様は92年の全生涯を捧げて、世界的次元の葛藤と分裂の問題を克服し、調和と協力、平和と幸福が実現する天一国の基盤を造られ、その上で人類は基元節を迎えました」と語りました。

 本会議では、現在、核兵器の開発に走る北朝鮮に対する効果的な対応の問題を焦点に、北東アジアの平和と安全保障のあり方について、掘り下げた討論が成されました。一方、米国によるイスラエル・パレスチナ和平交渉再開のための努力や、シリア内戦が泥沼化している状況で中東平和の道をどう開くかというテーマについても熱い討議が交わされました。また、平和構築における宗教の復興・和合の真なる意義や、平和の新たな担い手として女性の役割をどう強めるかなどのテーマについても、突っ込んだ意見が交わされました。

 韓国では折から、南北高官協議が再開される矢先でした。北東アジア情勢に関する討議には、米国やロシアから北朝鮮問題の権威者が数名参加し、時宜にかなった会議となったという内外の評価を受けました。特にこの日、基調講演をしたクリストファー・ヒル(Christopher R. Hill)元米国務次官補は、北朝鮮問題の六者協議で米国側の首席代表を務め、駐韓米国大使をしたこともあり、韓半島問題の専門家として、内外のマスコミが熱い取材競争を繰り広げました。

 ヒル元米国務次官補は、韓国や日本と共同で北朝鮮にエネルギー保障をする見返りに、一旦は北朝鮮に核兵器の開発を断念させることに大きな影響を及ぼした立役者でした。そうした経験を基に、彼は北朝鮮の核兵器保有は絶対に容認できないことを強調しながら、「北朝鮮の思惑とは裏腹に、核兵器の保有は体制保障の担保にはならない」と断言し、「北朝鮮は周辺諸国との信頼関係醸成のために積極的に協力しなければならない」と訴えました。

 一方、ロシアにおける北朝鮮問題の権威者であるアレクサンダー・ゼビン(Alexander Zhebin)博士(ロシア極東アジア科学研究所韓国研究センター代表)は、「北朝鮮の新体制を分析した結果、外部の期待や予測を裏切るかのように、現在、北朝鮮は張成沢の処刑後、反発勢力が取り除かれ、金正恩を中心に結束している。韓半島において中国の役割が重要である。社会主義体制を維持する中国は、北朝鮮がアメリカと中国の緩衝地帯として残ることを期待しているため、北朝鮮を放棄することはないだろう。したがって、アメリカを始めとする域内諸国は、北朝鮮に対する関与政策を積極的に進める必要がある」と言明しました。

 また、韓国や日本側の発表者は、軍事・政治・経済などすべての分野において自信を強める中国をどう見るか、日韓関係のあるべき姿、米国のアジアシフトに対する評価などに関して、議論が分かれました。
 文総裁が自ら訪朝して、真の愛に根差す南北統一の突破口を開いてくださってから20年以上が経過しましたが、文総裁の韓半島統一と世界平和に対する精神と原則を具体的に実現することのできる新しいパラダイムの構築と、その実践が残っていることを参加者が皆、共感する中、本行事の討議は無事に締めくくられました。

 一方、UPFが一貫して進めてきた宗教間の和合活動を通した平和世界構築に向けた努力は、着実にその成果を収めていることが、世界各国の発表で証明されました。文鮮明総裁の強い指導力と支援を基に、10年以上継続している「中東平和イニシアチブ(MEPI)」や、その延長線上で昨年来進められてきたシリア内戦打開のための民間外交活動は、現地の当事者や国連、さらにはカトリックの本山であるバチカンからも注目されています。

 UPF インターナショナルのトーマス・ウォルシュ(Thomas Walsh)会長は、従来の国際政治が国家単位で、軍事や政治、経済の力、すなわち「ハードパワー」をもって行われてきたこと、しかし、それだけでは解決できない諸情勢を丁寧に解説し、市民社会や企業、女性、若者、さらには宗教が醸し出す「ソフトパワー」がますます有効になっていて、文鮮明総裁が提唱された「神様の真の愛による平和」の理念が、シリア問題などの議論の場をはじめ、政治家や学者、宗教者らが参加する世界平和に関連した各種の会議及びセミナーなどでしきりに引用されたり、議論されていることを紹介しました。

 閉会晩餐会では、参加者が3日間の討論内容を中心に、その結果と成果を評価する時間を持ちました。世界の国家元首クラスの指導者が参加するUPF主催の国際会議は、今年8月、文鮮明先生の「聖和2周年」を前後して再び開かれる予定です。