ワシントンで第3回 日米韓「安保」フォーラム

「北東アジアは平和を世界に送り出す地に」

 北東アジアで平和の構造が揺さぶられています。北朝鮮の核・ミサイル開発が世界の懸念を深め、韓国との南北関係も、開城工業団地や離散家族再会をめぐり一進一退です。日韓、日中の外交関係は近年最悪と言われ、安倍首相は韓国、中国の新指導部と会談できずにいます。
 こうした状況を打開し、韓半島の南北共存、平和統一の道筋を描くため、米国の有力紙「ワシントンタイムズ(WT)」が世界貢献のため設置した「WT財団」は、天宙平和連合(UPF、本部・ニューヨーク)と共催で、「北東アジアの持続可能な平和・繁栄・安全保障」をテーマにフォーラムを開き、これまで東京とソウルで実施しました。

 東京では都内の会場で、国会議員10人あまりを中心に、外交関係者、言論人、学者や平和活動家ら約50人が参加しました。

 メインスピーチをしたのは、韓国系米国人で、様々な米国要人の北朝鮮訪問を根回ししたトニー・ナムクン氏。米朝民間外交の第一人者である同氏は、北側が独自の外交戦術を駆使しながら自主自立路線を貫き、南北政府間の実務協議を求めていると強調しました。

 ソウルでの第2回フォーラムには、市内のホテルに日米韓の他、中国、ロシアを含む30カ国余りの代表が出席しました。韓国のユン・サンヒュン議員は、朴槿恵大統領が北に実施している信頼醸成政策は、断固とした安全保障措置と表裏一体で行われていることを強調しました。

 9月26日、米国の首都ワシントンで開かれた第3回フォーラムには、約170人の外交専門家や学者、米国の平和大使らが集まりました。また日本の政治家や専門家、韓国のマスコミ関係者も参加しました。

 WT財団の梁昌植理事長は、WT社やUPFの創設者である文鮮明総裁が、韓半島の再統一を生涯の課題として取り組まれ、2000年8月に国連の会場で行われた国際会議で、韓国動乱の休戦ラインに「平和ベルト」を設定し、平和公園や平和教育施設を作ることを提唱されたと紹介。そして「韓半島の和解と再統合の土台が2020年までに樹立されるとの展望を持っている」と言明し、それに向けて、北東アジア平和イニシアチブを拡大・継続していくとの決意を表明し注目されました。

 今回のフォーラムでは、2005年9月に北朝鮮の非核化を目指して結ばれた合意の立役者で、「6者会合」の米国首席代表も務めたクリストファー・ヒル・元米国務次官補(東アジア太平洋担当)が講演しました。
 同氏は改めて、「核保有国としての北朝鮮は絶対に認められない」と強調し、そのために硬軟あらゆる措置を検討し、「日米韓その他、全ての当事国の同意を得て実施するべきだ」と語りました。また北東アジアが工業製品だけではなく、「平和と安定をも世界に送り出す地域になることを期待したい」と結びました。その後、北側は合意を破棄し、6者会合も開けない状態が継続。米当局者は、北朝鮮との交渉に消極的な雰囲気が強いと言われています。

 約10年間、米国を代表して対北交渉に携わったジョセフ・デトラニ特使(元国家情報局上級顧問)も、「北朝鮮うんざり症候群」の存在を認めながら、外交的、平和的打開の道が必ずあると強調し、希望を失わないよう訴えました。

 米国の有力シンクタンクの上級研究員は、第二次世界大戦後に極東の安保秩序を維持してきた米国が、財政困難などの理由から存在感を劇的に低下させており、このままでは日中韓をめぐり、安全保障体制は混とんとなり、100年前の状況に戻りかねないと注意を喚起しました。

 なお日本の代表団は、主催団体のWT社を表敬訪問し、同社幹部らと懇談。北東アジアでの平和増進のために、米国の同盟国である日本と韓国がぎくしゃくしていることは米国でも大きな懸念材料になっていることが指摘され、今後も同財団を通じて日米韓の政治家交流を支援することに期待が表明されました。