「鮮鶴平和賞」第1回受賞者を発表

キリバスのアノテ・トン大統領とインドのグプタ博士に決定

 米国の首都ワシントンDCのナショナル・プレスクラブで6月8日(現地時間)、「鮮鶴(ソンハク)平和賞」の第1回受賞者の発表記者会見が、世界各国の報道関係者約100人が参加する中で行
われました。

 発表式は鮮鶴平和賞財団のトマス・ウォルシュ会長(UPF国際本部会長)の司会で始まり、鮮鶴平和賞委員会の洪一植委員長(韓国・高麗大学元総長)が、「キリバスのアノテ・トン大統領とインドのグプタ博士の二人が第1回鮮鶴平和賞の共同受賞者となった」と発表。洪委員長は選考にあたり、「鮮鶴平和賞の『未来世代の平和』というビジョンに基づき、気候変動と食糧危機に注目した」と述べ、「トン大統領は、気候変動危機の最前線で人類の未来と平和のために努力し、グプタ博士は、未来における食糧危機の代案として、革新的な魚の養殖技術を開発し、『青の革命』を起こした」と選考理由を説明しました。

 また洪委員長は、鮮鶴平和賞の意義について、「これから人類共同体は、道徳的正当性と論理的合理性に基づいて、果敢に実践しなければなりません。鮮鶴平和賞が提示する革新的ビジョンと行動の変化は、より次元の高い21世紀の平和文明を切り開くこととなるでしょう」と述べました。

 鮮鶴平和賞は、世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創始者、故文鮮明師の平和思想と遺志の奨励・普及を願い、文師夫人の総裁の提唱により創設され、指導者養成や平和文化を促進する非営利団体「圓母平愛財団」によって運営されています。

 鮮鶴平和賞の第1回授賞式は、今年8月28日に韓国ソウルで行わる予定で、賞金として受賞者2人にそれぞれ50万US ドル、賞品として賞状とメダルが贈られます。

受賞者紹介
アノテ・トン大統領(President Anote Tong)
 太平洋の島嶼国キリバス共和国の大統領(2003年~現在)。
 同国が気候変動による海面上昇で、2050年までに水没する脅威にさらされる中、気候変動問題を国際社会に喚起。14年には島嶼国フィジー共和国の土地を購入し、「尊厳ある大規模な移住」計画に向けた職業訓練を提案。06年には「フェニックス諸島保護区(PIPA)」を発表、自国民の多くが漁業で生計を立てているにも拘らず、最も安全に保存された珊瑚水域・フェニックス諸島を保護するため、商業的漁業を禁止した。さらに、世界の海洋の10%を保護する太平洋島嶼国家保護地域ネットワーク構築に尽力するなど、未来の地球環境保護を優先するビジョンを提示している。

モダドゥグ・グプタ博士(Dr. Modadugu V. Gupta)
 インドの生物学者。各国の気候と環境に適した魚種を遺伝学的に研究・開発することで、爆発的に水産物生産量を増加させる「青の革命」を起こし、東南アジアの飢餓危機を劇的に緩和。さらにその水産養殖方法を普及させ、東南アジアの地方の女性が経済活動に参加できるようにし、収入と栄養状態を向上させ、女性の権利保護と地位向上に貢献した。2005年には、食料と農業のノーベル賞と言われる「世界食糧賞」を受賞。