旧東欧地下宣教「バタフライ作戦」の舞台巡る聖地ツアーを企画

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今年2月の式典で上演されたミュージカルは、欧州の旧共産圏における宣教活動「バタフライ(蝶)作戦」がテーマで、聴衆に深い感銘を与えました。チェコでは、バタフライ作戦の舞台となった現地をめぐる聖地ツアーを企画しています。担当者のユラ・ライダ・チェコ共和国UPF事務総長(65)にインタビューしました。(聞き手=鴨野守広報局長)

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――あなたの生い立ちから聞かせてください。

私はスロバキアのブラチスラバで育ちました。私の妻もスロバキアです。今は、チェコのプラハに住んでいます。

私は1971 年に統一教会に入教した初期メンバーの一人です。ブラチスラバ(現在のスロバキアの首都、当時はチェコスロバキアの中心都市のひとつ)に、最初の宣教師であるドイツの女性メンバーが来たのは1968 年8月30 日のことです。彼女の名前は、エリミエ・シュテベルです。国境を超えて、オーストリアのウィーンからブラチスラバに入りました。

1968 年当時、「プラハの春」の反動があったことを理解しておく必要があります。プラハの春には大きな希望がありました。共産主義には希望はありませんでした。しかしその年の8 月に何が起きたかと言うと、プラハが軍隊によって占領されてしまったのです。そして人々は絶望と失望に陥ってしまいました。

その年の8 月20 日、21 日に(ソ連軍を中心とする)軍隊がチェコスロバキアに侵攻してきましたが、そのような深刻な状況にもかかわらず、その70 日後、勇気ある姉妹が国境を超えてチェコスロバキアに真の父母様のメッセージをもたらすために入ってきたのです。

バラフライ作戦は1980 年から本格化しますが、その前の73 ~ 78 年にかけて東欧でメンバーが収監されました。後に、米国におられた真の父母様は、朝早くから聖地で私たちのために涙しながら祈っておられたと知りました。刑務所に送られた私たちのために。

誰もがマリア・ジブナのように殉教する可能性があったのです。私も死んでいたかもしれません。何が起きてもおかしくない状況でした。真の父母様が私たちを救って下さったのです。

――今回のミュージカルをご覧になった感想は。

まず真の父母様に感謝申し上げます、特に真のお母様に。なぜなら、お母様はチェコスロバキアの最初のメンバー、そして東欧への最初の宣教師を、昨年の基元節に表彰して下さったからです。そして昨年5 月には欧州宣教50 周年に欧州に来てくださいました。これが第一のポイントです。

次に、真のお母様は今回のミュージカルを指導され、私たちに大きな感動を与えて下さいました。もっとも、ストーリーは脚色され、歴史的事実と違う点もありました。でもそれは気にしません。それは韓国の芸術家が表現したいことがあるからです。

ミュージカルは、私たちの心に大きな感動を与えてくれました。泣きました。それは私の45 年間、心の奥底にあった経験を開かせてくれたからです。ですからミュージカルの内容をとても尊重しています。実は、私の息子がミュージカルに出ていたことも、私の感動をさらに高めてくれたと思います。息子は何かを相続したことでしょう。

韓国の芸術監督は、私たちが経験したことを想像できないことと思います。それでも私たちの精神をとらえることが出来ました。ですからその点をとても尊敬しています。

――チェコの聖地ツアーを通じて、参加者に見てもらいたい、感じてもらいたいポイントは何でしょうか。

第一の目的は青年の教育ですが、私たちの活動の基礎となっているのは犠牲と奉仕であることを一般の人々に伝えることです。これを忘れたら、私たちの活動は衰退することでしょう。それがまさに真の父母様の人生だからです。

二つ目は、初期メンバーが創った基盤を、私たち、そして後の世代のメンバーも忘れてはならないということです。初期メンバーの基盤の上に私たちは立っているのです。それを忘れてしまえば、伝統が立ちません。希望もありません。

三つ目は精神の復興です。初期メンバーの精神復興はすさまじく、一人ひとりが強い精神力を持っていました。共産主義ですら私たちの精神と比べれば脆弱であり、私たちの伝道への情熱を止めることはできませんでした。警察も私たちの伝道を止めることはできませんでした。私たちは彼らを圧倒していたのです。聖霊に満たされ、エネルギーに満ち溢れ、再臨主と共にあったからです。
初期時代の精神は驚くべきものでした。

――ツアーはいつごろ開催されますか。

5 日~ 7 日ぐらいの観光ツアーを考えています。内的には巡礼。外的には観光。プラハやウィーンなど美しい場所の観光を検討しています。参加された方が本当に満足するような最高のものを提供したいと考えています。

真の父母様は、共産主義国に対しても、み言をもたらしてくださいました。それは奇跡です。統一原理、真の父母様の教えが、神の存在を否定する共産主義国に来るということは想像できないことです。共産圏の解放、これはまさに奇跡です。これは、神様と真の父母様以外にできないことです。それゆえ、聖地ツアーは、神と父母様を証すものなのです。