東京地裁で、画期的な勝訴判決 “脱会改宗屋”に初の損害賠償命令

12 年5ヵ月間、拉致監禁された後藤徹さん

 日本の統一教会信者に対する拉致監禁・脱会強要をめぐる裁判で、画期的な勝訴判決が出ました。

 1995 年9 月から2008 年2 月までの12 年5ヵ月にわたって東京都内のマンションなどに拉致監禁され、統一教会からの脱会を強要された後藤徹さん(50)が、事件に関与した親族やキリスト教牧師などを相手どって損害賠償約2 億円を求めて提起した民事訴訟で、東京地裁の相澤哲裁判長は1 月28 日午後、後藤さんの兄夫婦らとともに“脱会改宗屋”宮村峻氏に賠償命令を下したのです。判決は、親族に対する総額483 万円余りの賠償金のうち、約96 万円を宮村氏が連帯して支払うことを命じています。

 これまで1000 人を超える信者の脱会強要に関与したとされる宮村氏の責任が司法の場で初めて認定されたことは、拉致監禁根絶のための大きな一歩となりました。

被害者の無念晴らす
 勝訴判決を受け、同日開かれた記者会見で、後藤さんは次のように真情を吐露しました。
 「人生これから花開くという時に突然監禁され、31 歳から44 歳まで一切の自由を奪われました。『この日本で、まさかこんなことがあり得るのか。信じられない』という反応をされる中での民事の3 年間の闘いでした。

 今回、残念ながら被告の松永堡智(やすとも)牧師の責任は認められませんでしたが、宮村峻は責任を問われました。
 私と同じように玄関も窓も施錠され、逃げようとすれば暴力的に抑え込まれる。そのような中で『死んでしまいたい』と苦しんできた多くの統一教会信者たちがいます。家族の背後にあって宮村が指導してきたのです。監禁下で、『バカ、あほ。お前はマインドコントロールされている』とあらゆる悪口で罵倒され、信仰が破壊されるまで執拗な仕打ちに合ってきた多くの同志たちがいます。宮村の責任が今日、問われたという一点において、みんな涙を流して喜んでいると思います」

 一方、会見に同席した福本修也弁護士は「裁判所が認定しているだけでも10 年間、後藤さんは自由が奪われ、食事制限までされています。これで慰謝料400 万円というのはいかにも少ないのではないか」と語り、裁判所の判断に疑問を投げかけました。

 今回の判決について、1 月29 日付で朝日新聞や産経新聞(大阪版)、世界日報が報じたほか、共同通信の配信記事を多くの地方紙が掲載。海外でも、米紙ワシントン・タイムズ(電子版)が「日本人男性、宗教迫害をめぐる画期的な裁判で勝訴」(1 月31日)と大きく報じています。

拉致監禁根絶の取り組み
 後藤さんの事件に対する警察・検察当局の人権を軽んじた対応が直接のきっかけとなり、2009 年夏から拉致監禁事件の根絶を目指す取り組みが本格的にスタート。これまで考えられるありとあらゆる手段を通じ、国内外で悲惨な人権侵害の実態を訴える努力を続けてきました。

 特に文國進様は、強い姿勢で後藤さんを始め関係者を励まし、指導してくださいました。
 2010 年1 月に千葉で行われた「全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会」(後藤徹代表)の結成大会で、文國進様は「後藤さんの心を義憤で満たしたのは神様だと信じます。私たちはこれ以上、この悪事を放っておくことはできません」と語り、拉致監禁を主導してきたグループの犯罪を暴露し、彼らに法的制裁を受けさせなければならないと訴えられました。

“戦い続ければ必ず勝利する”
 真の父母様(文鮮明師・韓鶴子総裁ご夫妻)は11 年8 月、ラスベガス天和宮で拉致監禁問題の報告を聞かれた際、「天はすでに勝利している。信じて戦い続ければ必ず勝利する」という祝福のみ言を下さいました。

 後藤さんは一審では勝訴しましたが、裁判は高裁に持ち込まれます。後藤さんが最終的に勝訴するとともに、拉致監禁の根絶を実現するため、これからも皆様の熱いご支援をお願いします。