笹田・1800家庭会長に二世祝福の取組について聞く

「父母が二世祝福のために愛と祈りを」

 1800家庭会長の笹田俊明さんは、二世祝福推進委員会の主要メンバーとして、積極的に取り組んでこられました。親の姿勢や、今後のプランなどについて聞きました。

――笹田会長が、ボランティアで二世祝福推進活動をしていこうと決意されたきっかけは何ですか?
 私が4年半前に1800家庭会の会長に就任した時、首都圏の心あるメンバーと、どのような活動をしたらいいのか、話し合いました。それで活動要望アンケートを全国の1800家庭会の皆様にお送りしたところ、「親の願いは子女が祝福を受けてくれることであるので、二世祝福を推進する活動をしてほしい」という要望が強いと理解しました。

 二世祝福推進は私達祝福家庭の大きな願いであり、これは運命共同体であることを認識して互いに深く信頼協力しあってこそなしえるものです。どの社会でも国でも本来経験者から後輩へと伝授して、積極的に婚活を推進していくことで、結婚制度を維持し安定した人口の成長と社会の発展をなしてきたと思います。しかし、急速な日本社会の晩婚化・非婚化・少子高齢化の影響を受けている私たちです。また私たちが、他の宗教団体や社会と違う点は、祝福の血統を極めて重要視するという点です。この血統を連綿と子孫へ伝授していくことを、誓った私たち一世です。

 しかし、30~40年以上の月日の中でいろんな苦難・艱難辛苦を経験するなかで、この最も重要な二世の祝福結婚に対する真剣さが低下し、諦めかけている父母さえ見られます。イスラエル民族もカナンに入って、カナンに定着しかけていくとき、「アイデンティティの危機(Identity Crisis) 」に陥っていってしまったことが聖書に記されています。選民が選民意識を喪失しかけ、二世・三世への関心と教育を怠ることは滅びを意味します。このような危機意識を共有していきますと、真剣にお互い二世祝福を推進していこうという気持ちになります。

――大きく二世祝福が進んでいない原因をどう見ますか。   
 二世のマッチング祝福は基本的に父母の責任となっていますが、それぞれの家庭の子女への関心度や家庭教育状況が異なるゆえに、簡単になしえません。一人の子女をマッチング・祝福へ導くことは、何年も投入し忍耐して初めてなしえるものです。その上に、父母達をサポートし指導すべき現場の指導者をはじめ、家庭教育部長や家庭部長も、一世青年や既成家庭の祝福結婚の対応に追われ、十分な取り組みがなされていないように思えます。

 また父母マッチング・祝福は、日本全国ばかりか国際祝福をも含めますと、真の横的連帯を構築していかないと先が進みません。日本の私たちが母の国の使命を感じて、日本から全世界へ、二世祝福運動を推進していく気概が必要です。

 私は幸いアフリカ宣教を含めて海外生活を20年経験し、英語で海外の信徒ともコミュニケーションを取ることができます。現在日本の本部では父母集会・家庭集会が年に2度、一心特別教育院(千葉・浦安)で開催されていますが、北は北海道、南は沖縄から参加される状況です。しかし集まる人数も十分ではありませんし、そこから父母・家庭交流が始まり約婚が決定することも簡単ではありません。また地方での父母集会・家庭集会も始まっていますが、いまだテスト段階です。私たち教会の縦的構造と祝福家庭間の真の横的連帯意識がまだうまくかみ合っていません。現場の責任者がこの危機意識を十分に把握していないことや、また経験が不足していることも考えられます。

――親の側に課題が大きいと思いますが、何かアドバイスを。
 「父母が自分たちの二世祝福に責任を持つ」ことが次第に認識されつつありますが、 私たち一世に与えられた責任、危機意識が十分に共有されることが大切です。荒野時代はマナや火の柱、雲の柱が天から導いてくれました。私たちはカナン定着時代に入っています。神氏族的メシヤ時代は、このカナン人をイスラエル化するほどの主体性・積極性が求められます。

 また、支援やアドバイスを必要とする父母に手を差し伸べ、心を通わせて二世マッチング・祝福に導く、愛と忍耐のアドバイスをしていく方の養成が必要です。現場の責任者の中に二世祝福の現状を把握し、かつ懸命に指導されている方も徐々に出てきていますが、これは父母の責任です。またお互い先立って二世をマッチング・祝福に導いた方々が、アドバイザーとしてスキルを向上させて支援していく体制が必要ではないでしょうか。この認定された専門アドバイザーが、各教区に2~3人(全国で200~300人)あって、365日24時間、常に二世・青年祝福に心を注いでいくような体制を築くことが大切と感じます。

――笹田家は、お子さんの祝福のためにどのように準備をされましたか。
 私の子女たち(2男2女)はアフリカ宣教時代にザンビア共和国で生まれました。当時欧米各国の宣教師たちもベビーブームを迎え、互いに保育園を準備管理しあって二世を守りあっていました。また子女が小学生以下の時にアフリカから帰国し、故郷の福井に帰りましたが、幸い近かった教会本部が常に二世祝福が当然な道であるという教育を小中高校生にしてくれ、また子女たちも教会学校に積極的に通っていました。このように、高校までの教会学校と、高校を卒業した後、アメリカやヨーロッパでのSTFまたはOLT(Oceania Leadership Team、オーストラリアの青年教育プログラム)などに3人の子女(長男・長女・次男)が参加し、また次女も京都での学生時代に学生寮に宿泊しながらカープ活動に参加できたことです。

 鉄は熱いうちに打て!と言われます。STFに入った3人はSTFのあと大学に入学したわけですから、卒業もそれぞれ2~3年遅れましたが、ハングリー精神で社会に適応してくれています。STFをともにした中からお互いの伴侶が決定した長男カップルは、伴侶が中高生から数年の祈りを積み重ねて導かれたカップルです。もちろん私たち親子も祈り合いました。長男カップルが父母マッチングの手本のような展開となって、我が家は父母マッチングで国際祝福へと導かれ、妹弟たちも兄夫婦のようになりたいという希望を強くもってくれました。また妻は常に子女と心情的なコミュニケーションを図ってくれています。

――今後の取組についての抱負をお聞かせください。
 二世青年祝福が私たちの希望です。専門アドバイザーの育成と共に、公的法人を作って、国内外の祝福結婚を日本社会に認知させ、ブランド化させていくことができればと思って努力していきたいと考えております。また国際祝福を推進させていきたいと思っております。