文鮮明師と「シェンゲン協定」

 1995年8月25日、36万双祝福式を勝利された文鮮明師・韓鶴子総裁ご夫妻は、全世界に「真の愛」の炎を伝えるため、「真の家庭と私」というタイトルで、アメリカ16ヵ都市巡回講演(9月5~20日)と全国大学街および主要都市韓国巡回講演(10月6日~11月2日)を成功裡に終えられました。

 その後、文師ご夫妻が16ヵ国巡回講演会(11月5日~ 12月7日)の日程中、フランクフルトでの講演のためにドイツに入国しようとされた時、ドイツの内務省は「“神の摂理”に従って全能なる権力を要求する統一教会の教理が、ドイツの憲法原理に違反する」という非常識的な理由で、文師を「シェンゲン協定」入国禁止者リストに載せ、ドイツ入国を拒んだのです。 

 これにより、ドイツから始まった入国禁止令が、「シェンゲン協定」に加入した、イギリスとアイルランドを除くヨーロッパ共同体(EC)の26ヵ国に影響を及ぼし、文師はそれ以降、これらの国家に足を踏み入れることができなくなってしまいました。

 「シェンゲン協定」とは、ヨーロッパ共同体の出入管理政策(Shengen Agreement)であり、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ポルトガル、ルクセンブルク、ベルギー、オランダなど8ヵ国が、1985年6月14日、ドイツとフランスの国境に接しているルクセンブルクの小さな連合会員国家間移民政策を単一化するために結んだ協定で、同時に自国の利益に害となる個人の出入りを統制する条約です。これ以降、2006 年からはヨーロッパ共同体の加入国家が増え、現在、「シェンゲン協定」には合計26ヵ国が加入するようになり、この中にはヨーロッパ共同体加入国ではないスイスも含まれています。

 このような「シェンゲン協定」の入国禁止リストに文師の名前が挙がるや否や、ヨーロッパ共同体の加入国家ではあるが、「シェンゲン協定」には加入していなかったイギリスも文師の入国を禁止するに至りました。「シェンゲン協定」に伴う入国禁止令は、公共の秩序と安全、もしくは国家安全を脅かすテロリストのような危険人物についてのみ発効されるもので、文師とは全く関係のない協定であることは間違いありませんでした。

 これを受けて、当時、ヨーロッパの大陸会長だった宋龍天総会長とイギリス教会は、法廷闘争を通し、2005年11月、文師のイギリス入国不許可案を撤回させ、続いてドイツとフランスにおいても法廷闘争を通し、2007年6月12日の勝訴により、文師ご夫妻のヨーロッパ地域入国が自由に成されるようになったのです