UPeaceが洪水被災地で復興支援

茨城県常総市でボランティア活動

 9月に日本を襲った台風18号による豪雨のため、堤防が決壊し洪水災害が発生した茨城県常総市近隣の市町村では、災害ボランティアセンターが設置されてボランティア活動の受け入れが行われています。

 これを受けて、家庭連合平和ボランティア隊(UPeace)では、青年を中心とした災害ボランティアチームを派遣。多い日では1日当たり50人ほどのメンバーが現地入りし、被災者の為に汗を流しています。

 茨城県常総市の災害ボランティアセンターが1500人のボランティアを募集したのに対し、実際は3000人以上が集う日も。中には、作業開始の2時間以上前にボランティアセンターに集合して準備するなど、日本国民の良心性の高さが垣間見られます。

 ボランティアの主な活動内容は、家財道具の運び出しや流れ着いた泥の撤去、被災した箇所の洗浄作業や消毒などです。活動場所は、被災者の自宅に始まり、店舗や学校、工場などで、依頼者のニーズに合わせて変わります。

 あるお宅は床下浸水だったため、家の周囲を片付ければ普通に暮らせる環境でした。あるお宅では、床上浸水1メートルだったため、1階の家財道具は全てダメになり、電気・ガス・水道などのインフラ環境も壊れてしまいました。しかし、2階部分は大丈夫だったため、家主は家をリフォームするか取り壊すか、悩んでいる最中でした。またある被災者は、家が丸ごと流されて文字通り全てを失い、未来に希望を持てずにいました。

 このように、被災者の置かれた環境は千差万別で、被災者に対する支援の仕方も人それぞれ違ってきます。しかし行政では、市民に対して一律の平等な支援しかできません。そのためボランティアは、行政の手の届かない部分、被災者一人ひとりに合った支援をしていくことが大切です。行政とボランティアが協力して被災した方たちを支援することが不可欠なのです。

 ボランティアで来たメンバーたちが頑張って作業する姿に感動し、作業後には思わず涙を流される依頼者もおられます。話を聞くと、「こういう状況になるのは人生初です。私自身も、自分の家をどこからどうしたらいいのか分からない状況なのです」と言われていました。
 被災地の1日も早い復興を願いながら、UPeaceでは被災地復興支援を継続していきたいと考えています。(UPeaceキャプテン・加藤善斐徒)

【UPeace参加者の声】
〇 被災した家屋でがれきの運び出しをしました。その中には、泥だらけで腐った米が紛れていました。その米を運び出すとき、今までの人生で一番の強烈な臭いが襲ってきたので、私は一瞬ためらいました。「根性や気合いで乗り切れる環境じゃない。どうすればいいのか」と思いながら、他のボランティアが米をシャベルで袋に詰めている光景を見ていると、真のお父様が歩まれた興南監獄が頭の中に浮かびました。「これを乗り越えることができるのは、根性でも気合いでもなく、愛しかない」。そう思ってからは、体が動き始めました。