「芸術には壁を超えて人類を一つの家族にする力がある」
6月29日、都内で「第7回 天一国小中学生芸術奨学金授与式」が行われた際、文薫淑様が激励の辞を述べられました。以下はその要旨です。
(この記事は、『VISION 2020』第33号〈7月15日号〉に掲載されました)
真の父母様は、「文化・芸術の目的は、神様からくる真善美を追及して表現しながら、神様と全ての人々に喜びと幸福を与えることだ」と言われました。今日の皆様の公演はまさに、それそのものでした。別世界に来たように感じました。
お父様はリトル・エンジェルス、鮮鶴合唱団など、多くの芸術組織を作りましたが、それは芸術を復帰するためです。お父様は1990年、「バレエは天上の芸術だ」と言われました。飛び上がり、天に届こう、神に至ろうとする人を表現するからです。お父様はまた、「藝天美地」という揮毫を書かれました。「天上の芸術で世界を美しくしよう」という意味です。これが過去30年間、私たちバレエ団が目指してきたものです。
昨年2月、私たちは30周年を記念してガラ(祝祭)公演を行いました。その記念公演を見て、韓国のある評論家が月刊誌に記事を書きました。
私はこの記事を見てとても驚きました。一つの道を30年歩んできましたが、真の父母様と天の父母様を中心に、変わりなく精誠を尽くして、実力を磨き、最高の結果を目指し続ければ、いつかその真心が認められ、サタン世界がこのように認定するようになるのです。これがまさに自然屈服ではないでしょうか。
この記事を皆様と分かち合いたかった理由は、私たちバレエ団が未熟だった草創期に、日本で毎年公演をしていましたが、そうした日本公演を通して、バレエ団は成長することが出来たからです。下手だったにも関わらず、皆さんは良く拍手をして下さいましたね。そして次の公演を待って下さいました。それで私たちバレエ団はこのように認められるようになったのです。この勝利は日本食口の皆様のものだと思います。
私たちの公演を待って下さったように、芸術家を育てるには、時間が必要です。成長期間があるのです。子供たちを信じてあげて、待ってあげれば、この子たちも立派な芸術家に成長すると信じています。
去る3月に私たちバレエ団は新しい作品を発表しました。その時、セウォル号事件が起き、韓国では、ほとんどの公演がキャンセルになりましたが、私たちはキャンセルしませんでした。世界的な振付師が来ていたからです。そして記者会見の時、その振付師に記者たちが、「苦痛の中にいる韓国の国民たちに一言お願いします」と質問しました。
振付師は次のように答えました。「踊りと音楽は、霊魂を治癒する力があります。この公演を通して、苦痛の中にいる韓国国民たちの少しでも慰労になればと思います」。
それで公演を見た人たちの多くが、ツイッターに、「この踊りを通してセウォル号の苦痛から暫く抜け出すことが出来、多くの慰労を受けました」と書いていました。
観客の中には、キリスト教徒も、仏教徒も、イスラム教徒も、無宗教の人もいたと思います。ですから文化芸術には、国家、人種、宗教といった全ての壁を超えて心を癒し、人類を一つの家族にする力があることを否定できません。
20年も前のことですが、お父様が、「全世界の人々は韓国語を話さなければなりません」とおっしゃられました。私はその時、「そんな世界が来るのだろうか」と考えました。しかし今や、韓流のゆえに、Kポップ、Kドラマゆえに、世界中の人々が、韓国語を学んでいます。お父様のみ言が、文化芸術を通して、このようになされるとは想像もできないことでした。文化芸術にはこのような大きな力、世界を動かす力があります。
私たちもみ旨を中心に、天一国の新しい文化を創っていかなければなりません。韓流ではなく、天一国ですから「天流」ですね。
ご存じのように私は生涯を芸術に捧げてきました。芸術家になることは簡単な道ではありません。何度も途中であきらめかけました。しかし耐えてきたことで、とても嬉しく幸せな思いでいます。なぜなら芸術は私の生活を豊かにしてくれているからです。そして間接的ながら伝道の機会を与えてくれました。芸術の世界を通して真の父母様の愛を社会に与えることが出来たのです。
私の父はいつも「不平は病気である」と言っていました。不平が始まれば、心の病気になるというのです。しかし、感謝の心を持っていれば、全ての困難を超えて幸せを見出すことができます。ですから感謝の心を決して忘れないで下さい。そして最善を尽くして下さい。大きな夢を持ち、高い目標を持って下さい。
皆様の才能を通して、世界をより美しくより良い世界にしましょう。ありがとうございました。